営業&コミュニケーションのワンポイントLesson BLOG

明日からすぐに使える、コミュニケーションと営業のスキル上達のポイントをお伝えします。ときどき関係ないことも。

【コミュニケーション】心理学の初頭効果で、第一印象はずっとキープされますよ!ご注意を!

営業力強化&コミュニケーション力向上コンサルタントの田中和義です。

 

 

初頭効果ってご存知ですか?

 

初頭効果とは、「人は最初に示された情報に強く影響を受ける

ことを意味する言葉です。

 

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■第一印象が後から変わっていくことはそんなに無い。

 

例えば、あなたが初対面の誰かと会うときに、

ちょっと油断してしまい、

あまりいい印象を相手に残すことができなかった場合、

「第一印象が悪くても、その後に修正していけばいいや」

と思うことがあるかもしれませんね。

 

しかし、残念なことに、第一印象を覆すのは結構、ハードルが高く、

望みは薄いようです。

 

何故ならば、第一印象はその後の人間関係に大きく影響を及ぼし、

そんなに変わることは少ないからです。

 

例えば、

あなたが初対面の相手に「冷たい」印象を与えたとしましょう。

その後、相手はあなたのことを冷たい人だと思い続ける可能性が高いのです。

 

あなたがその相手に2回目に会った時に、

自然に「暖かい人柄」の一面を見せたとしても、

相手はあなたのことを「無理していい人を演じている」と思います。

 

「第一印象は約半年間継続する」と言う人もいます。

ビジネスの世界で半年間、悪い印象をひきずったままだと致命的ですね。

 

これが初頭効果なんです。

 

(「初頭効果」…人は最初に示された情報に強く影響を受けることをいう。

またポーランドの心理学者であるソロモン・アッシュは1946年に行った実験で

初頭効果の存在を証明した。

 

彼は被験者数名を2つのグループに分け、ある人物の特徴について、

一つのグループには

①「知的→勤勉→衝動的→批判的→頑固→嫉妬深い」

という順番

示し、またもう一方のグループには同じ人物の特徴について

②「嫉妬深い→頑固→批判的→衝動的→勤勉→知的」

というまったく逆の順番で示した。

 

その後、二つのグループにこの人物の印象を聞くと、

①の最初のグループは「好印象」であり、

②のもう一方のグループに聞くと「悪い印象」であった。

 

つまり、

人は最初に与えられた情報に大きな影響を受ける

という実験結果を得た)

 

逆に、第一印象で「温かい人だ」という印象を残せれば、

その後あなたが暗い表情をして、ぼそぼそと喋ったとしても

「あれ、何かあったのかしら?」と心配してもらえるんですね。

いかがですか、このギャップ。

 

第一印象でコケないことがいかに大事かを知ることが出来ますね。

 

 

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【コミュニケーション】相手にいい印象を与えるのは言葉じゃないよ、見た目ですよ~。

営業力強化&コミュニケーションスキル向上の研修講師、田中和義です。

 

「人は見た目が大事」とか

「人は見た目で決まる」などの本が多く出版され

書店に平積みになっているのをご覧になられたことが有るかと思いますが、

やはり「見た目」は重要です。

それを法則として提唱したのが、アルバート・メラビアン

アメリカUCLA大学の心理学者です。

 

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1971年に発表されたこの「メラビアンの法則」では、

人の第一印象は初めて会った時のほんの数秒で決定し、

そのとき初対面の人物を認識する割合は、

「見た目、表情、視線、しぐさ」などの視覚情報が55%

「声のトーン、喋るスピード、ボリューム、」などの聴覚情報が38%、

そして、

「話す言葉の内容や意味」などの言語情報はたったの7%とされています。

 

つまり、初対面の場合、相手のことは視覚情報と聴覚情報、

つまり見た目と、声の状態で第一印象を決めているということです。

言語情報はたったの7%ということですから、

初めて会う人の気を惹くために事前に話題を考え、

最近の芸能界情報をチェックし、自己紹介のフレーズを考えていっても、

見た目と喋り方が悪いと何の役にも立たないということです。

 

また反対に、

話すことを何にも準備していなくても、見た目が清潔感があり、

さわやかな雰囲気を出せて、相手の目をみながらぱりっとした発声をしていれば、

第一印象はほぼ大丈夫ということになります。

 

繰り返します。

話している内容 = 言語情報 → 7%

聴覚情報や視覚情報 = 非言語情報 → 93%

 

ミスを犯して、人に謝罪する場合にも

相手があなたを許す、許さないの判断基準にしているのは、

あなたの非言語情報なのです。

つまり、

一生懸命に頭を下げ、ごめんなさいという態度がみられるかどうか

なのです。

 

あなたが許してもらおうと気の利いた言葉を並べて謝罪しても

なんと、相手はほとんど真面目に聞いていないのでした。

 

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【コミュニケーション】身だしなみが相手に与える印象

田中和義です。

今日は、身だしなみが与える印象について、です。

 

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身だしなみをきちんと整えると、相手から好印象を得ることができます。

これに対し、おしゃれは必ずしも相手の好印象を与えるとは限りません。

場合によっては、自分はおしゃれでいい気分に浸っていても、

相手に不快感を与えていることがあります。

この身だしなみとおしゃれの違いは何なのでしょう?

 

おしゃれは漢字で「御洒落」と書くように、

「洒落(しゃれ)」と同じく、「戯れ(ざれ)」が転じた言葉であり、

髪型や服装があか抜けていることを指し、遊びの要素が含まれます。

つまり、自分が楽しむための身なりのことです。

おしゃれは「自分本位な身なり」と言えるでしょう。

これに対し、身だしなみは相手に不快感を与えないようにするために、

相手のことを考えて服装や髪型を選びます。

つまり「相手本位の身なり」であると言えます。

 

相手から好印象を得たければ、

やはり相手本位で服装や髪型を選ぶことが大事ですよね。

相手を思いやって自分の服装や髪型を整える「思いやり」は相手にも伝わるのです。

【コミュニケーション】目は口程に物を言うから、アイコンタクトの重要さを知っておこう。

営業力強化&コミュニケーション力向上コンサルタントの田中和義です。

 

今日はアイコンタクトの重要さについて書きます。

 

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「目は心の窓」とか、

「目は口程に物を言う」っていうことわざは聞いたことがおありかと思います。

 

アイコンタクトで相手の気持ち、つまり

「好きか嫌いか」、

「愉快か不愉快か」、

「尊敬しているか、軽蔑しているか」

などの感情が伝わります。

私たちは日ごろ、眼の動きや視線を活用したり、

アイコンタクトで相手の目をのぞいたり、目ヂカラを発揮したりして、

感情に関する情報をやりとりしているのです。

 

相手と対立したとき、相手の目から視線を外さないようにして、大きく目を見開いて

相手を睨みつけますよね。

ヤンキー映画での若手男優のオーバーすぎるアイコンタクトの取り方

(いわゆる「ガンをつける」というやつ)や、

今は引退しましたが、ボクシングの亀田弘毅による対戦前の記者会見での

挑戦者に対する挑発などがそれに該当します。

 

また、恋人たちであればお互いの目を見つめ合って、

軽く微笑みを浮かべるだけでお互いの愛情を確認し合うことができます。

 

それだけ、目は口と同様、相手に対して影響の大きいコミュニケーションツールです。

そして、私たちはみな、アイコンタクトの重要さを知らず知らずのうちに

理解しています。

 

それだけに、私たちは初対面の人がアイコンタクトができず、目線をこちらと合わさないでいると、相手に対して不信感を抱きます。

「ああ、この人は私に心を開かないんだ~」と思い、そして

「私は嫌われている」と思うか、

「この人は何かやましいことがあるに違いない」と思うのです。

相手が視線を下にそらしていると、

「あ、この人は私を怖がっているんだなあ」と思われます。

いずれにしても悪い第一印象になってしまいます。

 

また、アイコンタクトは男性よりも女性のほうが積極的です。

女性は男性よりもアイコンタクトを使って、自分がどのように受け取られているかを

確認します。

相手と目が合えば、「自分は受け入れられているのかな?」と考えるのです。

 

また、コミュニケーションを取っていくなかで、

「ちゃんと伝わったかな?」とか、

「不機嫌になっていないかな?」などを

相手の目、表情などから無意識的に理解しようとしています。

女性は目を使って他者と良好な関係を作ろうとしているのです。

引用:オードリー・ネルソン、スーザン・K・ゴラント著

「しぐさでバレる男のホンネ、女の本心」(草思社発行)

 

ということは、

魅力的な女性が目の前に現れても、照れくさくて相手の目を見れないシャイな男性はとっても損をしているのかもしれません。

女性の多くは、「あ、この人はシャイな人なんだ」とは思わずに、

「この人は私のことが嫌なのかしら?」と受け取ってしまう可能性が高いようです。

これは改善しないといけません。

思い当たる男性のあなた、自分のことを「シャイだから」などといった言い訳はいますぐに捨てて、魅力的な女性と会うことがあれば、積極的にしっかりアイコンタクトをとっていきましょう。

 

ただ、重要だからといって、ずっとアイコンタクトを取り続けるのはNGです。

相手はあなたの目から威圧感を感じて、「なに、この人、キモい!」と感じてしまいます。

ちょうどよいアイコンタクトの長さは3~5秒です。

3秒から5秒程度アイコンタクトをとったらいったん視線をずらす、

そしてまたアイコンタクトをとる。

こんな感じで使っていきましょう。

 

また、相手の話を聴くときには、

相手の目よりも下の部分、口やあご、首のあたりに目線をやるようにすると

相手に威圧感を与えずに済みます。

 

そしてあなたが話すときですが、

人は話をするときには頭のなかで会話内容を考えるため、

無意識に目線があっちこっちに移ります。

ですから相手の目をまっすぐに見ているつもりでも程よく目線はずれてくれているため

相手に威圧感は与えません。

だから特別に目の向け方を意識しなくても大丈夫ですが、

相手にしっかり伝えたいことを言うときには、意識して相手の目を見て話しをする

ように心がければ、大事なことが相手に伝わります。

覚えておきましょう。

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S&C.Labo 代表 田中和義

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【コミュニケーション】笑顔をつくる3つのポイント

営業力強化&コミュニケーション講師の田中和義です。

 

私の友人が、年末に自分のブログで1年間を振り返り、以下のことを書いていました。

 

「1年間をふりかえってみると、

決して楽しいことばかりではなく、

辛いこともあったけれど、

とりあえず笑顔でニコニコしていたら、

物事がうまくいった。

結果的に良い1年だったと思う。

 

笑顔でニコニコしているといいことがあるんですね!o(^-^)o」

 

 

そうなんです。笑顔は最強です。

いつも笑顔でいましょう。

 

私は、「いつも笑顔でニコニコしていますね!」と

人によく言われます。

それは違うんです。ニコニコしているように見える顔なんです。

 

けど、いつもニコニコしていると思われることで、

営業的には大変、得をしてきました。

なんとか、かんとか、売れ続けたのは、

笑顔に見える顔のおかげだと思っています。

 

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では、笑顔について書いてみます。

 

 

笑顔は相手にいい印象を与えます。

 

笑顔は相手に敵対心が無いことを知らせ、

「歓迎している」、

「好意を持っている」

ことを伝えることができます。

 

また、

「友好」、「幸福」、「受容」、「感謝」、「敬意」、

といったメッセージも伝えることができます。

 

いずれにしても笑顔は人間関係を良くする前向きな感情を示すもの。

特に初対面の相手には、笑顔を意識して使わなければいけません。

 

■笑顔を作る3つのポイント

 

・口角はキュッと上向きにつくる

 

・目尻は下げ、視線はアイコンタクトを意識する

 

・頬の筋肉を意識して上げる

 

 

気を付けたいのが、

いわゆる「作り笑い」「愛想笑い」として

相手に受け取られないようにすること。

 

あなたが興味が無い話でも、関心があるかのように笑顔で話を聴いたり、

おかしくないのに笑ってみせるときに、

相手から「作り笑い」「愛想笑い」と認識されると、

相手は残念な気持ちを抱きます。

 

もし、あなたが笑顔なのに

腕を組んでいるとか、

体が反り返っているとか、

眼が笑っていない

などの態度を取っていると、

「その笑顔はつくりものだ」と相手から見抜かれてしまいます。

気をつけましょう!

 

美輪明宏さんは、

「月刊smart」(宝島社発行)2017年3月号「❝男と女❞用語辞典」で、

笑顔についてこのように書いています。

 

「どこの国でも通用する❝通行手形❞は『優しさと微笑み』。

その二つを嫌いな人っていませんよね。

微笑まれたら、

振り上げた拳のやりように困るものなんです。

(中略)

就職試験の面接でも、入室から退室まで笑顔でいれば、落とされるわけがない。

どこも受からないという人は、暗い顔をしている人ですよ。

 

 それは恋愛でも同じ。相手がデートに遅刻しても笑顔で迎えればいい。

笑顔でいれば、相手だけでなく自分自身も腹が立たないものなんです。」

 

笑顔は最強です。しっかり意識して使いましょう。

 

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S&C.Labo 代表 田中和義

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【コミュニケーション】まずは自分の恥をさらしてから、相手の本音を引き出す「自己開示の返報性」

■返報性のルールは本音を引き出すのにも有効

 

「他人から何らかの恩恵を受けたら、自分も相手に対してお返しをしたくなる」ことについて書きましたが、これを「返報性のルール」と呼びます。

実はこの「返報性のルール」は、相手の本音を引き出すのにも有効です。

 

なかなか本音を言わない相手から本音を引き出したいときは、まず、自分のほうから自分の本音を話しましょう。これを「自己開示」と言います。

 

自分の内面にしまっておいた恥ずかしい失敗談や、今まではとても人には話せなかったコンプレックスや弱みなど、あなたが自らそれらをさらけ出すことで、相手はあなたに親しみを感じ、共感を覚えて、つらつらと自分の本音や心に秘めていたことを語り出します。これを「自己開示の返報性」と呼びます。

 

■「自己開示の返報性」について

 

特にあなたが、相手にとって上司であったり、相手に対して評価を下す人である場合や、あなたが相手から尊敬される対象である場合には、まず、あなたから自己開示をすべきです。

相手はあなたのことを上下関係で見ていますから、あなたに本音を打ち明けることで「評価を下げるのではないか?」、

「こんなことを言うと、馬鹿にされるのではないか?」

「嫌われてしまうのではないか?」

ということを心配しています。

だから、相手はあなたに対し、一層ガードを固くしてしまっています。

 

そこであなたから自己開示して、

「自分が若かったころいかにダメだったか」、

「思慮が浅くて失敗ばかりしていたか」、

「上司にどれだけ怒られたか」、

「人に迷惑をかけてしまったか」

などのエピソードを相手に打ち明けるのです。

本当ならばカッコ悪くて、心の奥に秘めたままでいたい、そんなことを敢えて相手に伝えます。

 

「いやあ、僕も新入社員の頃、3つ上の先輩を怒らせたことがあってさ~」、

「オレも昔、本当に何をやっても売れなかったときがあって、京都支社の営業マンのなかでビリだったことがあるんだよ~」、

「僕が企画マネージャーをやってたときに、上司が嫌で嫌で仕方ないときがあってさ…」

 

と伝えます。ただ、相手が引いてしまうような暗い話は避けてくださいね。相手が不安にならないように、笑顔を浮かべて自己開示しましょう。

 

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■「Let’s 自己開示」で信用される人になろう!

 

「えっ、自分の内面を自ら晒しだすのは恥ずかしい?」

いえいえ、大丈夫です。まず、あなたから自己開示することで、相手は「この人は、秘密にしていたことや自分の弱みを見せてくれた…」とあなたに親近感を覚え、自分を信用してくれていることを嬉しく感じます。

また、「この人にだったら話してもいいかも」と安心感を覚えます。

 

あなたが恥ずかしいと思っている話は、実は、相手にとっては興味深く、あなたの人間臭さを感じられるありがたい話なのです。そして相手はあなたの自己開示に応えようという気持ちが働き、「実は私も…」と本音を話しだすのです。

 

繰り返しになりますが、慎重な相手から本音を聴きたいときには、まずあなたから自己開示しましょう。

相手が隠している本音を聴きたいならば、まずは自分から本音をさらけ出す。

 

人間関係のギブ&テイクの論理がここにも働いているのですね。

 

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S&C.Labo 代表 田中和義

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【コミュニケーション】相手の本音を引き出すことで感謝され、得する「返報性の法則」

■相手の本音を引き出すと、感謝される。

 

相手があなたに対して、

「本音を引き出してくれて、本当に自分のやりたいことがわかった!」とか、

「忘れていた想いを思い出せて、初心に戻ることができた!」とか

「他人には言えないことをしっかり聴いてくれて、共感してくれた!」と感じたら、

その人はあなたに対し好意と信頼を寄せます。

そして、あなたのことを良い上司、良い同僚、良い友人として認め、「あなたのために何か役に立ちたい」と考えます。

きっと、あなたがピンチの時には率先して助けてくれることでしょう。

これを心理学の世界では「返報性のルール」と呼んでいます。

 

 ■「返報性のルール」とは? 

 

「返報性のルール」は、社会心理学のロバート・B・チャルディーニが発表した法則です。その内容について

「人は誰しも、他人がこちらに何らかの恩恵を施したら、自分も似たような形でお返しをしなければならない、と感じるものだ」

とチャルディーニは言っています。

 

私たち人間の心理にはそういったルールが内在されているため、私たちは、本音を引き出して自分のことを認めてくれた相手に対して、自分からも似たような形でお返しをしたくなります。つまり、相手もあなたのいうことを受け止め、認めてくれるようになります。こうやって、いい人間関係が出来ていくのです。

 

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 ■営業マンと上司のケース 

 

例えば、受注が思うようにできなくて、「自分は営業に向いていないかも。。。」と落ち込んでいるメンバーがいるとします。そのメンバーに対し、ダメな上司は、「そんなことじゃだめだ。営業は行動量だ。とにかく動いていればなんとかなる。早くお客さんのところに行ってこい!」とそのメンバーの話も聞かずに、根性論で一方的に叱咤激励をします。

 

しかし、このメンバーにしてみたら、「そんなことは上司に言われなくてもわかっている。わかっているんだけど、頑張っても仕事がなかなかいい方向に進まないんだよ。」と思っているかもしれません。また、気持ちが凹んでしまい、立ち上がる意欲がわかない。そんな状態に陥っているかもしれません。けれども「自分が営業に向いていないのかもしれない」と思い、悩んでいることは、プライドもあって他人には言えずにいる。

 

そんな状態のメンバーに対して、上司が一方的に叱咤激励をしても効果はありません。もしそんな状態だとするならば、そのメンバーに対しては、まずモチベーションを上げるための動機付けが必要です。

 

 このダメ上司の発言は、思いっきり強い風をぶつけることでコートを脱がそうとする北風の話に似ています。これでは、このメンバーは自力で立ち上げることが出来ません。

 

じゃあどうするべきか?こういうケースの場合には、あの物語の太陽のように次第に温度を上げていって、旅人が自分からコートを脱いだように、メンバーに対して動機づけを図る必要があるのです。

 

 この場合、デキる上司は落ち込んでいるメンバーに対して、こんな質問をします。

 

 「そもそも、(君は)なんでこの仕事を選んだんだっけ?」

 「そもそも、(君が)この仕事をはじめたのはどうなりたかったからだっけ?」

 

 そして、あとは黙って、メンバーが質問に対して自分でじっくり考え、自分の思いを吐露するまで言葉を発しません。デキる上司はにっこり微笑みを浮かべてメンバーが話し出すのを待っています。

 

そして、沈んでいたメンバーはこの上司の質問により、自分が営業職を希望した新入社員の頃を振り返ります。そして、「苦労することが多いけれど、その分、人として成長できる機会が多い」ことに惹かれて、営業職を選んだときの想いを思い出すのです。

 

そして、「こんな些細な事で落ち込んでいたらダメだ。いかに障害を乗り越えるか考えることが先決だ」といって、仕事へのモチベーションを取り戻すのです。

 

 そして、自分が迷っていることを察して、叱咤激励ではなく、問いかけによってモチベーションを上げてくれた上司の思いやりに対して感謝します。

 

それから、今まで以上に、その上司のことが好きになり、厚い信頼を寄せるようになります。そして、この上司にずっとついていこうと思います。また、上司のために頑張って高い業績をあげ、チームに貢献しようと決意するのです。

 

デキる上司は質問術を使って、部下が心の奥に秘めていた思いを引き出し、部下のやる気を奮い立たせます。そして、部下から感謝され、より一層の好意と信頼を獲得するのです。

 

ダメ上司のように、相手の心理を考えない一方的なマネジメントでは誰も幸せになれませんが、デキる上司のように、相手の心理を好転させるマネジメントが出来ると、部下はもちろん、上司も得をするのです。

 

 これがいわゆる感情面の「返報性のルール」の事例です。

みなさんもこんなご経験ありませんか?