ルーブル美術館展 京都市美術館
この展覧会は、16世紀初頭から19世紀半ばまでのヨーロッパの風俗画を紹介する展覧会で、その目玉は今回、初来日を果たしたフェルメールの「天文学者」。17世紀オランダを代表する画家であるフェルメールの円熟期の傑です。
(ヨハネス・フェルメール「天文学者」1668年)
さすがに今回の目玉だけあって、この絵の前はたくさんの人だかりが出来ていました。行列のなか、じっと我慢して自分がこの絵の前に来れるのを待ちました。
ちなみにこの絵の中で描かれている天文学者が来ているガウン風の上着はなんと日本の「どてら」。当時のオランダは日本と貿易をしていましたから、当時の上流階級の着物として流行ったんだそうです。これが発達してガウンが生まれたそうです。
■風俗画の見方を学びました。
西洋絵画は「歴史画」、「肖像画」、「風景画」、「静物画」というジャンルに分けられますが、今回展示されている風俗画はどのジャンルにも属さない、どちらかといえば低くみられていたものなんだそうです。ただ風俗画は当時の人達の生活する様を生々しく描いており、そこからは当時のファッションや住まいの様子、食物などから人々の倫理観に至るまで垣間見ることが出来ます。
当時の画家たちは風俗画のなかに寓意をひそませることによって人々への教訓とした。そして人々は風俗画を壁にかけ日々それを眺めることによって自分への戒めとしたんだそうです。
私たちはこれらの風俗画に描かれている小物や人々の手の動きや視線からヒントを得て、絵の中に書かれたメッセージや教訓や風刺を読み取っていく。これが今回の展示会を楽しむ術だということを、西洋画の世界に詳しい方から事前に講義を受け、この「ルーブル美術館展」を見学しました。
確かにそういう歴史や時代背景や宗教などをちゃんと学習したうえで、1枚1枚の絵を時間をかけて読み解いていくのは楽しいですね。
絵のことはまったくといっていいほど解っていない私ですが、このルーブル美術館展は今月27日まで開催されていますのでちゃんと本を読んで勉強してからもう一度行ってみようと思います。
というわけで帰りに売店でこの分厚いパンフレットを買いました。233ページもあります。果たして今月内に読み終えるんでしょうか?