営業&コミュニケーションのワンポイントLesson BLOG

明日からすぐに使える、コミュニケーションと営業のスキル上達のポイントをお伝えします。ときどき関係ないことも。

文系学生の7割が営業職に配属されるんですって。

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アルバイト求人サイトanのなかに「若年層白書2014」というページがあり、そこには大学生が選ぶ職業の人気ランキングがありました。

 

1位:公務員

2位:教員/トレーナー

3位:研究者/研究施設スタッフ

4位:SE、プログラマー、IT

5位:事務職/秘書/受付

6位:看護師/診察助手/助産

6位:デザイナー(WEB等含む)

8位:エンジニア/技術者/整備士

9位:銀行員/金融関連業

10位:保育士/幼稚園教諭

10位:医師

12位:薬剤師/登録販売者

12位:電車/バス運転手、駅員

12位:会社員/OL

12位:栄養士

 

大学生945人にアンケートとった結果だそうで、さすがに大学生だけあって現実感あるなーと思ってしまう職種ばかりが載っています。 宇宙飛行士とか、パイロットとかミュージシャンとかは無い。

しかし、なぜ営業職がランキングにないのでしょう?文系学部を卒業した学生のほとんどが営業職に配属されるのが現実なのに。ほとんどの学生が希望しない仕事である営業職に嫌々ながら就いているんでしょうか?

 

文系学部卒の新卒は7割が営業職に配属される。

「文系学部卒の新卒は7割が営業に配属され、2割が経理や事務などの管理部門、5%がSE、そして残りの5%に1000職種(きらびやかな職種含む)がひしめく」というのを何かで読んだことがありますが、20年間以上、いくつかの会社を経験してきた私もそれを実感します。最初からマーケティングや企画や広報などに配属される新人ってめったに見たことがないし、そもそも中小企業にはそんな職種が無かったりします(すべて社長がやっていたり、コンサル会社にやらせてたりする)。 

よくある話が、学生が面接時に「ぜひ商品企画をやりたいと考えています」と発言しても、「なるほど。商品企画をやりたいんだね。それならばまずは営業を経験してお客様のニーズを肌で感じることが出来る営業を経験してからだね」と面接官に言われ、営業職に配属されるという件です。これは面接官の仰る通りなんですけれど、だからといって、最初営業職に配属されてそのあとじっと我慢してたら、もしくは努力を重ねたらいつかは企画職に就けるかというと決してそんなことはありません。一握りの人だけが就けるポジションですから、就けない確率のほうがめっちゃ高い。

 

学生のうちにどんな営業をやりたいか、を考えておく。

高校生のときに文系学部を選択した時から、その7割は営業職に就くことをまずは常識として高校生のときくらいから大人が教え込むことが大切だと思います。その事実を受け入れたくない学生に対しては、大学生時代は1年生のときから公務員対策講座をしっかり受けてハードな勉強を続けるとか、バイトやサークルに充てる時間を減らして簿記2級以上の資格を取るように指導すべきでしょう。

そしてそのほかの学生には、営業職といっても業界によって色々な営業があることや、営業職は顧客とのコミュニケーションを創り出す仕事であり楽しいことや、人脈が増えること、また色々学べて人間的成長の機会が多いこと、また将来、起業であってもフリーランスであっても独立したい人にとっては営業は絶対に必要なので若いうちから営業スキルを習得すべきであることなどを教えてあげることが必要だと思います。

また営業はどうしても個人の成果が問われやすく、またそれで競争させられたりしますから、営業スキルは高いほうが良い。競争させられるならば勝者になったほうが面白い。そのために必要なコミュニケーションスキルやヒアリング、クロージングなどの技術やスムースな人間関係を構築するための方法などを大学生のうちから教えてトレーニングしていくことが大切だと思います。

 

大学に営業学部を創る。

大学に対して営業学部を創るよう提案していきたく考えています。いきなり学部創設のハードルが高ければまずは課外授業からでもOK。営業職に対してネガティブなバイアスのかかっている大学生達は最初は興味を示さないかもしれませんが、リアルなものの考え方をする学生や保護者は理解が早く、それなりに入学希望者は出てくるように思えます。だいたい今の大学の価値は就職率の良さで図られています。就職率で差が出なければブランド企業にどれだけ入れたかということになるのですが、就職に対して良い実績が残せており、就職対策に力を入れている大学に高校生は集まりますので、大学は今後の生き残り競争において、絶対に「就職に有利な大学」というブランディングをしなければなりません。こんな環境のなかで、営業学部を持つ大学というのは絶対に有利だと思うのですがいかがでしょう?

 

大学生が、就活のときのエントリーシートに「2年間以上営業について理論と実践を学びました。力試しに営業のアルバイトを1年間やってみたところ平均的な社員の売り上げを上回る実績をあげることができました」と自己PRを書いたときに興味を持たない採用担当者は少ないと思います。また、授業で営業に不可欠なコミュニケーションスキルや交渉術、プレゼンテーションを学んできているのですから面接でいい評価を得るのは難しくないでしょう。つまり営業学部で学んだ学生は内定獲得率が高いということになる訳です。

 

営業職を経験した大人たちは「営業の仕事はつらいこともあったが面白い」とか「営業以外の仕事なんかやってられるか」とか、内勤に異動になったときには「ほされてつらい」とかよく言います。営業は顧客とのコミュニケーションの仕事だし、人間関係を作る仕事だし、顧客から直接感謝の言葉を頂けるし、交渉術もプレゼンテーション技術も学べるし、勝ったり負けたりのドラマはあるし…でやってみれば面白いはずで、その面白さを体感するまでに少々時間がかかるんだろうと思います。

 

学生の時にネガティブな思いで営業職を捉え、実際に営業に配属されてしまって不安を覚えている新卒であれば、営業現場でちょっとつらい体験をしただけでココロが折れてしまい早期離職するのは仕方がないかと思います。学生のうちから営業の楽しさやメリットを教え、営業技術もしっかり指導していって、社会人になったときに早い時期に営業の成功体験を得ることが出来れば、新卒の早期離職も少しは改善されるのではないでしょうか?