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いよいよ東京大学、京都大学もAO入試導入へ

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昨日の産経新聞ニュースですが、国立大学と公立大学AO入試と推薦入試導入校が平成28年に過去最大となるそうです。東京大学京都大学もAO・推薦入試を初めて導入するということで、優秀な高校生や留学生をいかに確保するか大学の生き残りをかけた仁義なき戦いにまた一層拍車がかかりそうですね。

 

文部科学省は2日、国立大82校と公立大84校の平成28年度入試の概要を発表した。受験生の個性を重視して面接などにより選考するアドミッション・オフィス(AO)入試の実施校は27年度比4校増の75校、推薦入試も2校増の159校となり、ともに過去最多となった。東京大と京都大がAO・推薦入試を初めて導入する。

 文科省によると、国公立の募集定員は、27年度比272人減の12万4753人となった。国立大ではAO入試導入校が61%となり、初めて6割台に突入した。

 推薦入試は東大、京大ともに導入。5人ほどの推薦枠を設けた東大教養学部は推薦要件として「国際的な活動の経験」などを提示。証明として、科学オリンピックなどの成績を例に挙げている。京大は、入学後の研究計画や卒業後の人生像を記した「学びの設計書」を提出させ、合否判断に用いるとしている。

 AO・推薦入試が増える背景について、文科省の担当者は「暗記中心から思考力重視への大学入試制度改革の動きが影響したことは否定できない。東大、京大の初導入を含め大学側に多様性を重視する傾向が顕著になっている」と話した。

 

関西の私大のトップクラスは関関同立ですが、これらの人気私大においてもいまやAO・推薦入試の入学生は4割程度いるといわれています。

AO・推薦入試は暗記力だけで判断しない、多様な個性を持つ学生を受け入れるというポリシーで行われていますが、実際はその大学の授業についてこれない、その大学で必要な基礎学力に満たないレベルの学生を入学させてしまっています。少子化ですから大学の定員割れを防ぐにはそうせざるを得ないというのが実情でしょう。そのように学力上位大学が、従来ならば中位クラスの大学に入学していた学生をAO・推薦入試で入学させる。同様に学力中位クラスの大学は従来学力低位レベルの大学に進んでいた学生を入学させる。学力低位レベルは定員割れとなる。私学においてはこのような状況が起きています。

matome.naver.jp

 

このニュースのように国公立がどんどんAO・推薦枠を増やしていくと私学上位校が学生を奪われそうですね。2018年度問題を目の前に控えて、大学間の学生剥奪戦はより一層激化していきます。上位大学から下位大学まで各大学がどのような戦略をとっていくのか目が離せません。縮小していくマーケットのなかで生き残りをかけてどのように戦うのか?マーケティング上の事例として大変参考になると思います。

 

2018年問題とは

大学関係者の中で 「2018年問題」と言われる事がある。
 2009年を底にして、一旦安定した18歳人口が、2018年から再び減り始める事を示しており、2018年から2031年までの間で33万人の18歳人口が減少する。
 18歳人口の減少問題は今に始まった事ではない。
 グラフでも明らかなように、1992年から2009年の間で、18歳人口は205万人から121万人へと、実に84万人も減少している。しかし、この時期、大学進学率が27%から50%に伸びており、18歳人口の減少を、進学率がカバーする形で、大学進学者数は、54万人から61万人に逆に増加した。
 簡単に言ってしまうと、これまでの大学は、何もしなくても学生が集まり、財務状況が厳しくなってきたとは言え、多くの大学で、そこそこの経営が成り立っていたのだ。
 しかし、2018年以降はそうはいかない。大学進学率は、今後、多少の増加が期待されるものの、55%でほぼ頭打ちと予測されており、2018年から始まる18歳人口の減少は、ダイレクトに大学進学者数の減少に繋がる。大学進学者数は、2018年の65万人から2031年には48万人と、実に17万人も減少する。
 現時点で、私立大学の約4割が定員割れの状況にあり、2018年以降、いよいよ「これ以上持たない」という大学が多く発生する事が懸念される。大学進学者数17万人の減少という数字は、1,000人規模の大学が170校潰れる可能性がある事を示す。

ブログ「これからは共同体の時代」より

これからは共同体の時代